わいわい塾

開催レポート

2012年6月 (株)ふくや

2012/06/20

 

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台風の行方が気になっていましたが、当日はお天気になりホッとしました。

 

わいわい塾も、皆様のご支援を受けて今回で69回目となりましたが、今回は、記念すべき 第1回わいわい塾(2004年12月)に出演いただいた㈱ふくやさんが7年半ぶりに再登場!!

今回は、大幅に塩分カットされた減塩の辛子明太子と食生活の減塩がテーマでした。
ちなみに、第1回わいわい塾にも参加されていた方が数名いらっしゃいました!


 

 
製造・物流部 品質保証課 統括マネジャー 稲田磯美 様

 

☆㈱ふくやについて

㈱ふくやは、昭和23年10月に博多・中洲にて食料品店として川原俊夫氏が創業し、日本初の明太子を誕生させてから今日に至るまで、一貫して創業メーカーとして、「原点の味」を守りつつも時代に合ったおいしさを追求している企業さんです。

創業者が特許をとらずに商品の製法を伝えていったことが、現在の辛子明太子の普及に繋がりました。
7割が女性スタッフ、という女性が活躍している企業です。

 

☆食生活と減塩についてのお話

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塩分の摂りすぎはよくない・・・ということは、なんとなく気にしている方が多いと思いますが、改めて1日の塩分摂取量上限目安を数字で確認しました。

この数字は、塩そのものだけでなく加工食品等に含まれるナトリウムも含む・・・という説明を聞いた上で、日本高血圧学界推奨の摂取上限「6g」の塩を参加者に回覧してもらったところ「こんなに少ないの~」「多分これ以上摂っている」という声があちこちから聞こえてきました。

日本人1日の平均塩分摂取量は11gということなので、納得ですね。
あるカップラーメンに含まれる食塩相当量は5.1gと聞いて驚いた方もいたのでは?

塩分(ナトリウム)の摂取量が多いと高血圧になりやすい ~ということで、高血圧予防に大切なことを教えていただきました。

 

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塩分摂取量を減らすことも限界がある・・・と思う方には朗報です!
ナトリウムを体内から排出する働きがあるカリウムの摂取を増やすことも、その一つだそうです。
野菜、果物、海藻等カリウムを含む食品を一緒に摂りましょう!

その他にも、減塩食生活のコツをいくつも教えていただきましたので、毎日の食卓で実践していきたいですね~

 

 

 

☆減塩の明太子と通常商品の食べ比べ

tabekurabe.JPG参加者の各テーブルに、A、Bとだけ箱に表示された明太子が置かれ、試食した上で、どちらが減塩明太子かを各自に判断していただきました。(写真の右がA、左がBです)

 

その結果は・・・Aと思う方18名、Bと思う方12名となりました。
正解はAでしたが、「どちらが減塩かわからない」「どちらもおいしいね」という感想が聞かれ、自らの判断に自信がない方が大半だったようです
そこで、開発担当者のお話を伺いました。

 

 

☆減塩商品開発についてのお話

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減塩明太子の開発担当者(管理栄養士) 太田朗子 様

 

減塩とは、単純に薄味にしたり食塩を減らすことではなく、ナトリウムを減らすことであり、「減塩」表示をするためには、減塩をしていない通常品との比較をした数値が、健康増進法の基準を満たしていなければならないそうです。

一般的な減塩商品の減塩方法は、次のやり方とのこと
①食塩量を単純に削減する
②塩抜きする
③食塩(塩化ナトリウム)の一部を塩化カリウムに置き換える

 

 

 

ajino.JPGところが、①、②では満足できる味の食品にはならず、③のカリウムは特有のえぐみがあるため、減塩率が十分でなかったり、後味の悪い食品ができます。
そのため、一般的な減塩食には病院食のような薄味のおいしくないものが多いとか・・・

そこで、ふくやさんは二年の歳月をかけて独自の製法を開発しました。

 (写真上が、味の明太子(通常品)、下があじわい減塩明太子)

 


ajiwai.JPG  あじわい減塩明太子は、前述の③食塩(塩化ナトリウム)の一部を塩化カリウムに置き換えて作っています。

カリウム特有の苦味・えぐみをマスキングするために、ポリグルタミン酸 (納豆のネバ成分)を使用することで、
味は通常品と同等ながら、減塩率35%の美味しい減塩明太子が誕生したのです!
 

この方法で減塩明太子を製造しているのは、ふくやさんだけとのことです。
減塩方法について、わかりやすい図で説明していただき、参加者も納得です!

 

☆あじわい減塩明太子の試食

fukuyasisyoku.JPG太田様のお話しを伺いながら、「あえもの明太子」4種も試食しました。
あじわい減塩明太子に、それぞれ、数の子、くらげ、いか、ほたてをあえた商品で、参加者は好みのものを探しながら食べ比べていました。


 

 

 

 

 

 

☆ふくやさんと参加者との意見交換

fukuyawaiwai.JPGあじわい減塩明太子と通常品とは賞味期限の違いや、一本あたりの塩分量等、参加者からたくさんの質問が寄せられていました。
また、「このような明太子を開発してはどうか」という提案があったり、事前に明太子のことを詳しく調べて来場した参加者もおられて、今回もわいわいとにぎやかな「わいわい塾」でした。

 

稲田様からは、「明太子はご飯のお供としてだけでなく、調味料として使えますよ」ということで、一例として、すぐにできそうな下記レシピをご紹介いただきました。

 

豆乳を火にかけてグラグラさせてできた豆乳汁に、明太子と小口ネギをパラッとふりかける。

彩りも美しそうで、試してみたいですね。 

 

☆最後に・・・

市場にはたくさんの減塩商品がありますが、当社と同様にカリウム特有のえぐみをマスキングする方法で梅干・ハムなどの減塩商品を作っている会社がほかにもあります。
しかし、「減塩」というと消費者が「おいしくない!」との思い込みで拒否反応を示されることが多く、減塩商品はなかなか広まりにくいというのが現状です・・・。

そこで、消費者の皆様が減塩商品に興味を持ち、いろいろな意見や感想を寄せてくださることが、このような商品を育てていくことになり、皆様の健康にも役立つことになると思いますので、是非皆様の声を企業に届けてほしいですと締めくくられました。

今回のわいわい塾で、美味しい減塩商品もあるのだ、ということを認識することができましたので、もっと多くの美味しい減塩商品が研究開発されていくように、私達消費者が関心をもち、各種食品メーカーさんを”その気”  にさせていきたいですね。

また家庭では、無理のないやり方で日々の減塩を心がけたいものです!

 

参加者と企業の意見交換とアンケートの声(一部)

減塩明太子は通常品と賞味期間が異なる?

通常品の賞味期間が冷蔵15日に対して、減塩明太子は7日。賞味期限設定には当社では微生物検査と官能検査で出た結果の短いほうを採用している。微生物検査では通常品と減塩品には違いはないが、官能検査では、粒子のプチプチ感が出にくくなるためか通常品と減塩品に違いがある。今後さらに研究することで、この賞味期間を通常品に近づけたいと考えている。

通常品と区別がつかないほど味がしっかりしているので、さらに塩分を減らした減塩明太子を作っては?

明太子特有のプチプチ感は、塩蔵前の柔らかい原料に塩を入れることで浸透圧の関係でできる。塩化カリウムではあのプチプチ感が出にくい為、今以上の減塩は研究を続けないと難しい。更なる研究は行う。

減塩明太子には塩分量の表記があるが、通常品には書いていない?

健康増進法で、減塩商品には塩分量(栄養成分)の表記義務がある。それに対して通常品は表示義務はないので表示をしていない。100gあたりの食塩相当量は、減塩明太子は3.3g。35%減塩ということから計算して頂くと通常品は5.2g前後とおわかり頂けると思う。

贈答用にするとき等に、減塩明太子と通常品との違い(健康によい等)を記載したリーフレットはある?

通常品をこれまで贈答としてきたが、減塩品が良いと分かったので、減塩品を贈りたい。
そこで送る側の相手を気遣う気持ちがわかるようなリーフがあると有難い。
お届け先用のリーフは作成していない。すぐに対応すると約束はできないが、貴重なご提案なので会社に持ち帰らせてもらいたい。

食べきれないときは冷凍してもよい?

大丈夫。サランラップに1本ずつくるんで冷凍し、解凍時は冷蔵室で解凍するとドリップが少なめになる。

感想(一部)

  • どちらも味の違いがわからなかった。いっぺんに食べると、どちらも十分に辛かった。減塩と表示するための基準があるんですね。ナトリウムとカリウムの関係を詳しく教えていただいた。
  • メンタイが大好きですが、塩分のことを心配していました。でも、とてもいいことに気がつかれ、いい商品を考えられました。よく研究されて出来上がった減塩明太子だと感じました。
  • 健康ブームの昨今、魅力ある取組みだと思います。A、B悩むほど味の差はなく、美味しかったです。減塩でも十分塩味を感じましたので、まだ減らしてもよいと思いました。
  • 35%も減塩であるならば、そちらの方が今後メインになっていくのでは(オリジナルより)と思いました。
  • 減塩の意味がよくわかりました。ただ、塩分量を減らすだけと思っていましたが、説明時の塩分カットの方法のスライドが大変わかりやすく、充実した時間でした。
  • 減塩生活のコツについてのお話もためになりました。
  • 塩分の取り過ぎが注目されているにも関わらず、平均摂取量が当たり前にオーバーしているという事実が印象的でした。加工品を加えると、かなりの塩分を一日に摂っていると思うので、同じおいしさなら減塩の商品を購入したいです。
  • 明太子(たらこ)の種々の食べ方と、安心安全な面も加味した企業努力も学ぶ事ができました。
企業情報

株式会社 ふくや

福岡市博多区中洲2丁目6番10号
TEL 092-291-3575(代表)