わいわい塾

開催レポート

2013年2月 日本鮮食(株)

2013/02/20

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本日のわいわい塾のテーマは「糸島発!魚を手軽に美味しく食べられる商品を開発」

 

福岡県は良質な漁場に囲まれ、新鮮でおいしい魚介類が手に入りやすく、お魚をたくさん食べるという方も多いかもしれません。

しかし、

①食べ方がよくわからない
②魚料理はニオイが気になったり、焼く時に煙が出てキッチンが汚れる、後片付けが大変
③骨があり、とにかく食べにくい!
などの理由から、水産物の消費量は減少傾向にあり、国民の魚離れが進んでいると指摘されています。

 

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そこで、水産庁が魚の消費拡大・推進を目的に「ファストフィッシュ」という認定制度を2012年に開始しました。

「ファストフィッシュ」とは手軽に気軽においしく魚介類を食べられるように工夫した商品や食べ方のことです。

今回のわいわい塾では、この認定を福岡で初めて受けられた「日本鮮食株式会社」にお越しいただき、その優れた技術と商品開発のこだわりなど詳しくお話をお伺いしました。

レトルトの技術

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昔はアサリなどの貝類は豊富に採れ、長期保存に向かなかったため大量に廃棄されていたそうです。それをもったいない、なんとかおいしく消費することはできないかと貝のレトルトパックを思いついたそうです。

 

新鮮な貝を真空パックしレトルト釜で加圧・加熱・殺菌しています。

また、固い具は外装が破れやすく、小さな穴が開いてしまうと貝が腐敗してしまい商品がダメになってしまうため、外装ビニールも材質から研究され商品が開発されました。

 

一般にレトルト食品は防腐剤などが必要ないため離乳食としても商品化されています。

 

 

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日本鮮食独自の砂抜き製法(海洋深層水)で砂抜き処理がしてありますので、磯の香りそのままの風味をレトルト技術で閉じ込めており、お吸い物やお味噌汁、パスタなど手軽に美味しく利用できるようになっています。

常温保存が可能です。

 

 

特許を取得しているジュール加熱の技術

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日本鮮食が開発したジュール加熱製法は、直接食材に通電し、素材自らが持つ抵抗を利用し短時間に食材の内部から表面まで均一に加熱するシステムです。

 

 

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食材の旨味であるドリップの流出を抑え「ジューシーで頭から骨までやわらかく、ふっくらとした食感」を出すことが可能です。

全国で5社しか持っていない特殊な技術です。

 

 

はますいとボーン柔ーるんの試食

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彩汁めぐりシリーズ「はますい」・・・レトルト製法で真空パックされた新鮮なはまぐりと調味液を入れ、好みの量の熱湯を注いでかき混ぜれば、風味豊かなはまぐりのお吸い物の出来上がりです。 

 

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「ボーン柔ーるん」シリーズさんまの塩焼きと小鯛・・・レンジや湯せんで簡単に、焼き魚が骨を気にせず頭から、骨ごと全部食べられます。

通常の焼き魚の場合、50%は骨などと一緒に食べられず廃棄されていることを考えると、ほぼ100%食べられる「ボーン柔ーるん」。カルシウム摂取量を大幅にアップできそうです。

 ☆昨年取り上げられたニュース番組

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日本鮮食のこの取組を昨年9月のニュース番組でもいち早く紹介されていました。

子供の魚離れが進んでいる中、保育園児が給食にならんだ「ボーン柔ーるん」をうれしそうに食べていたのがとても印象的でした。

味も美味しいと好評だったようです。

 

グループトーク

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短い時間でしたが、

ジュール加熱の技術についてや、摂取できるカルシウム量など、たくさんの質問が飛び交い、質疑応答や意見交換が行われました。

 

 

商品ラインナップ

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焼き魚や貝以外にも炊き込みご飯の素やお茶漬けなどもあります。

また、魚介類だけではなく、若鶏のハーブ焼きや塩焼きなども販売しています。

一般的に鶏肉はもも肉が柔らかくジューシーと需要が高く、反対にむね肉はぱさぱさで食べにくく売れ残る、と困っていた企業から、「なんとかむね肉を美味しく食べる方法がないか」と相談され、

ジュール加熱の技術でジューシーでふっくらおしいい「鶏ジュール焼きシリーズ」を開発したそうです。

☆最後に・・・ 

もともと、「魚の骨を柔らかくする」ことを考えたきっかけは、病院や介護施設などの「医療食」のためだったそうです。
従来は骨が刺さるなどの危険を避けるため、魚の身をペースト状にし提供されることが多かったのですが、それでは見た目も良くないですし、味気ない感じがします。

ですから本来の魚の形を残しながら骨まで柔らかく、そして美味しい。
安全に安心して骨まで食べられる加工食品の開発というのはとても良い取り組みであるといえるのではないでしょうか。

魚介類、畜肉類、そして野菜などを使った新しい商品も続々と開発され、今後の展開が楽しみですね。

<参加者とお店の意見交換(一部)>

ジュール機で加熱すると栄養価が損なわれたりすることはないのですか?

果物や野菜のビタミンCなどは熱に弱いので加熱することにより減少しますが、魚に含まれる栄養素は熱による変化は少ないです。ジュール機で加熱し、骨まで魚が食べられるようになる分、カルシウムの摂取量は大幅に増加します。(魚を身だけ食べるのと身と骨を食べるのを比べると摂取できるカルシウム量は80倍といわれています)

魚の種類がもっと増えたらよいと思うのだが・・・

やはり、向いている魚と向いていない魚があります。いろいろな魚で試してたところ、大きさにもよりますが、大体ジュール機による加熱で柔らかくなります。鮭などは意外にすぐ柔らかくなり、種類は少しずつ増えています。一番苦労したのは「太刀魚」。体をくねらせて泳ぐので、骨自体は細いが固いため、なかなか柔らかくならず商品化には向きませんでした。

どこで買えますか?

インターネットで購入が可能です。また、福岡では博多大丸やボンラパス、伊都彩菜などに一部の商品は置いてあります。「ファストフィッシュ」がメディアなどで取り上げられるようになり、小売店からの問い合わせは増えていますので、今後取扱店は増えていくと思います。

「そのまま貝シリーズ」のアサリが美味しそう。さっそくボンゴレスパゲッティを作ろうと思うがどのタイミングでアサリを入れたらいいですか?

日本鮮食独自の砂抜き製法で砂抜き済み。加熱処理もしてあるので、オリーブオイル→ニンニク→アサリ→ゆでたパスタで大丈夫です。面倒な砂抜きや、ワインやお酒を入れて蒸したりする必要がありません。

<感想などアンケートの声(一部)日本鮮食について>

  • 魚を骨ごと食べられる取り組みは面白いと思うし、ニュースで見たことがあったので興味があった。もう少し魚の個々の特長が生かせたらもっとよくなると思う。貝のレトルトは便利そう。
  • 高齢者が多くなるし、若い人も料理する時に手間をかけたくない。骨が舌に触らない。味は少し変わるけど慣れればカルシウムもしっかりとれるし、美味しく食べられる。
  • こんな便利なものがあるのならこれからも大いに魚を食べたいと思う。
  • 老人や子供に良い取り組みで今後成長が見込まれる企業だと思う。もっとPRが必要では?
  • 食品は生が一番だと思っていますが、魚などはどうしても鮮度が落ちるのが早いので、このような取り組みはとても良いと思います。
  • 加熱することで量が減らず、味も良いのでとても良いと思う。
  • 骨が柔らかく、骨ごと食べればカルシウムが多く取れるので子供や高齢の方にとても良い食材になると思う。
  • この会社の「レトルト」「ジュール加熱」の技術はすごいと思いました。
  • 高い技術のある企業とは知っていたが、味についてはわからなかったので試食を楽しみにしていました。
  • これからの展開(量やアイテムを増やす)にとても興味がある。
  • 福岡発の技術なので今後の発展を期待しています。
  • 和食系以外のものの開発も楽しみです。
  • 魚を骨ごと食べるは普通に身だけ食べるのに比べてカルシウムが80倍も取れるというのに驚いた。
  • 料理が面倒だなと思っている高齢者に最適な商品だと思う。
  • グループトークでの質問の多さからも伺えるように、消費者の関心の高い商品だと思います。もっと広がっていってほしいと思います。
  • 骨まで食べられるというと缶詰のイメージしかなかったので手軽に魚を食べれるのはうれしい。
  • このジュール熱について今まで知りませんでした。時流に添った企業と感じますし、歳を取ると歯が抜けて行くと思うのでこの「ボーン柔ーるん」が大いに役立つものと思います。
  • 共働きも増えるでしょうし、成長期の子供や高齢者の大いに役立つと思う。
  • 魚介類の普及のため頑張ってください。応援しています。
  • 手軽に魚を丸ごと食べられるのでとても便利だが、本来の魚の食べ方が育たなくなるのでたまには新鮮な魚を食べる必要もありそう。
  • 魚の骨を抜いて売るより、骨を柔らかくして魚を丸ごと食べられるのは素晴らしい。

 

<試食の感想などアンケートの声(一部)>

  • 「はますい」は味がすごく良かったが、少しニオイが気になった。
  • サンマはすごくおいしかった。
  • 本当に骨ごと魚を全部食べられびっくりしたし、味加減もちょうどよかった。
  • 「はますい」は手軽に本格的な味が家庭で味わえるのでとても良いと思った。
  • 貝のお吸い物が手軽に食べられるのがとても良い。砂出しなど面倒がなくおいしい。
  • さんまは焼き魚の香りがよく美味しかった。
  • 中国産ハマグリの安全性について少々不安に感じるので、産地等安全面を強調した方がよい。
  • ほんとに骨ごと食べられてびっくり。カルシウムをしっかりとれるので骨粗しょう症予防になると期待大!
  • 「ボーン柔ーるん」とても美味しかった。「鶏ジュール焼きシリーズ」も試食してみたかった。
  • 塩分控えめな感じがした。もう少し塩分がほしい。

<こんな商品がほしい!こんな方法で購入したい!(一部)>

  • 一人暮らしを始める息子に送ってやりたい。(魚を自分で買ったり調理したりはしないと思うので)
  • 常温保存が可能な貝類は常にストックしておくと便利。非常食にも良いと思いました。
  • コンビニなどで手軽に買えるようにしてほしい。
  • 「とり飯の素」「糸島産の美豚」など肉類の種類も増やして頂きたい。
  • 贈答に喜ばれると思う。
  • 高齢化社会になっていくため需要は絶対伸びると思うので、スーパーなどで手軽に買えるようになってほしい。
  • インターネットでの通販の送料がもっと安くなるといいなと思います。
  • 魚はやや高価な気がしますが、いざという時の保存食として常備しておきたい。
  • 販売されているお店が限られているので、もっと取扱が増えれば需要も上がっていくと思う。
  • デパート、スーパー、コンビニ・・・どこへ行っても購入できるというのが理想。味のレパートリーも増えるとうれしい。
  • そのまま食べられるのは便利でよいが、家庭で食べる前にひと手間掛けられる食材も開発してほしい。
  • 一人用、二人用の小分けパック商品があれば便利。
企業情報

日本鮮食株式会社
http://www.nihon-sensyoku.co.jp/

福岡県糸島市二丈深江 2142番地 3
電話 : 092-325-1278(代)  FAX : 092-325-1630

*2020年1月末日をもって廃業