わいわい塾

開催レポート

2013年3月 平田産業(有)

2013/03/20

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本日のわいわい塾は「安心を食卓へ!こだわりの圧搾一番搾り」

天ぷらや炒め物など料理には欠かせない食用油。
みなさんはどのようにして選んでいますか?

体によさそうなもの、価格の安いもの、味や風味の好みなどいろいろあると思いますが、今回のわいわい塾は、「平田産業有限会社」にお越しいただき、自慢の圧搾一番搾り菜種油の精製法や企業理念、販売を手掛けておられるオリーブオイルやメープルシロップのお話を専務取締役 青木様、営業チーフマネージャー 鈴木様、営業企画 樋口様に詳しくお伺いしました。

 

平田産業有限会社について

明治35年、菜種の特産地だった福岡県三井郡で搾油業を興しました。後に、地下水が豊富な朝倉市甘木に工場を建て、遺伝子組み換えをしていない菜種だけを原料に、湯洗い製法にこだわり「食卓に安心と安全を」をモットーに菜種油を作り続けている会社です。福岡で数百社あった製油会社も今は平田産業1社だけとなってしまいました。

 

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製油工場の様子が福岡の情報番組で取り上げられました。

 

 

 

美味しさへのこだわり

imoten.jpg食用油には菜種以外にも大豆やトウモロコシ、ベニバナなどの種類がありますが、大豆などはアレルギーの問題があるため平田産業が作るのは菜種油だけです。また、菜種も遺伝子組み換えでない菜種だけを搾っています。

菜種油(キャノーラ油)は古くから食されており、淡白な美味しさと風味豊かな香りを持つ薄萌黄色の食用油です。熱に強く天ぷらやフライなどの揚げ物に最適で、カラッと揚がり胸やけがしません。冷めても美味しい食用油です。

 

安心へのこだわり

img002.jpg一般の食用油は油の抽出にノルマルヘキサンを、不純物の除去にリン酸やカセイソーダなどを使用した化学的製法で約10時間で出来上がります。

平田産業の純正菜種油は圧力だけで搾った「圧搾一番搾り」のみです。

圧搾とはタオルを手で絞るような昔ながらの製法です。搾った油に食酢を入れ、不純物を固めて除去。その後70度のお湯で油を洗浄する「湯洗い」を繰り返し精製します。

菜種油ができるまで約一週間の時間が必要で、手間と時間は掛かりますが安心できる精製法を採用しています。

 

安全へのこだわり

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平田産業の菜種油は遺伝子組み換えされていない(NON GMO)原料だけを使用しています。

以前はカナダ産のものでしたが、現在はオーストラリアのカンガルー島で栽培されたものを輸入して使用しています。なぜカンガルー島かというと、ここは南極からの風が年中吹いており、遺伝子組み換えの種が飛んでこない、意図しない遺伝子組み換え作物の混入が防げるという場所だったから選ばれたそうです。

また船便での輸送中の混入を防ぐため、20フィートコンテナで輸入し、ロット毎に1証明書をつけているというほどの厳しく管理されているものだけを使用しています。工場に着くまでコンテナを開けることはありません。

 

遺伝子組み換え作物について

遺伝子組み換え作物(GMO)とは、作物に、害虫や除草剤への耐性などを目的とする遺伝子を組み込むことにより、害虫や除草剤への耐性を強め、肥料が少なくても大きな実がなるなど、省力・コスト削減などに役立つよう改良された作物のことです。

大量の農薬や除草剤が必要なくなるため土壌を汚さないでよい、一定の害虫を畑から除去することができるというというメリットはありますが、長期的に遺伝子組み換え食品を摂取した場合、人体への安全性や農産物の生産現場での環境への影響などまだ具体的なデータがなく、はっきり証明されていないという問題が残っています。

そのような状態で安易にそれらの食品を食卓に出す訳にはいかないという平田産業の考えが遺伝子組み換えでない菜種にこだわる理由となっています。

 

油は最後の一滴まで使えます!

平田産業の菜種油はコシがあります。

もちろん毎日唐揚げや天ぷらを揚げ続けるといたんでしまいますが、

・天かすをこまめにとる

・使用後は丁寧に濾す

・きちんとふたをする

など酸化防止に気を付ければ何度でも使えます。

今日は天ぷらで、今日は炒め物で・・・と継ぎ足しながら、きちんとお手入れをすれば最後の一滴まで使い切ることが出来ます。

 

菜種の搾りかす

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 菜種のうち25%が一番搾り油となり、60%は油かす。その他は不純物です。

製油過程で出た油かすは販売しています。

主に静岡や鹿児島のお茶農家やスイカやリンゴの果物農家の方、またお米屋さんからの受注が多く、足りない状態となっています。

肥料として油粕をまくとお茶や果実が甘く美味しくなるといわれています。

また、遺伝子組み換えでない菜種の油かすなので、魚の養殖や乳牛の飼料としても安心して使えると喜んでいただいています。

 

メープルシロップの販売

平田産業では20年近く前からメープルシロップの販売を手がけていましたが、2010年より代理店となりました。

ブランド名は「Naturally Maple」

化学肥料や殺虫剤が使用されていない森で育まれたサトウカエデから採取した樹液を煮詰めて製造されています。

実はメープルシロップは栄養的にかなり優れており、日本人に不足しがちなカルシウムやマグネシウム、たんぱく質や糖質の代謝に不可欠な亜鉛、余分な塩分を排出するカリウムといったミネラルをバランスよく豊富に含んでいます。

(はちみつに比べてカルシウムは20倍、カリウムは40倍!)

しかもローカロリー。

卵焼きに入れるとふわっとした仕上がりになります。和食との相性もばっちりで、ホットケーキにかけるだけでなく、料理の幅も広がりそうです。

 

オリーブオイルの販売

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平田産業が販売している、オリーブオイルは10月11月の二か月間に収穫されたオリーブの果実を種ごと、収穫されてから5時間以内に絞った大変フレッシュなオリーブオイルの新油です。

少し温めると、青い香りが漂い、食べてみるとピリッとした刺激のある味が特徴です。

また、「九州に100万本のオリーブを植えよう」という会に賛同し推進しています。

 

試食

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一番搾り純正菜種油で揚げたイモ天。試食の30分ほど前に揚げたので冷めていましたが、サクサクしており、そして脂っこくなく美味しくいただきました。

 

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一番搾り純正菜種油で作ったオリジナル和風ドレッシングと手作りマヨネーズをサラダで。

見た目は油分が多いのですがとてもサラッとしています。

 

 

 

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 メープルシロップとオリーブオイルをパンにつけていただきました。

 

 

 

 

お土産

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お土産の一番搾り純正菜種油のミニボトルと本日試食した手作りマヨネーズと和風ドレッシングのレシピ

 

 

今後の展開について

2010年より国産菜種油の搾油を再開し、2011年に国産菜種サラダ油で国内初のJAS認定を取得しました。

hanbai.jpg現在、菜種の国内自給率は0.1%に過ぎません。北海道などで菜種の栽培量を増やし、国産の菜種をどんどん搾りたいと思っています。

また、地下水には限りがあります。水の使用量を減らすため、現在製油過程において8回の湯洗いを行っているところを3回に、最終的には1回で済むように研究をしています。

すでに平田産業の油を使用されている会員さんがたくさんおられました。

わいわい塾終了後の販売も大盛況でした。

 

参加者と企業の意見交換(一部)

Q.菜種油、ごま油、オリーブオイル・・・いろいろありますが、カロリーは油の種類によって違いますか?

A.基本、どの油も14g(大さじ1杯)90kcalです。

 だいたいどの油も変わりません。

Q.コレステロールが気になります。油を取るのは控えた方がいいですか?

A.コレステロールを多く含む食品といえば卵や動物性油脂です。菜種や大豆など植物性のサラダ油はコレステロール0です。 また、オリーブオイルには善玉コレステロールを減らすことなく、悪玉コレステロールだけを減らすオレイン酸を多く含んでおり、生活習慣病予防に役立ちます。菜種油はオリーブオイルに大変成分が近いです。

Q.冷めても確かにカラッとしてサクサク。

 とても美味しいですが、特別な衣とか使ってるんですか?

A.・・・(笑)市販されている普通の天ぷら粉ですよ。イモは160度くらいの温度でじっくり揚げるとサクッと軽い仕上がりになります。

Q.一度工場見学に行かせていただきたいのですが?

A.ぜひお越しください!ただ、油を作っているため工場内は汚れます。年に2回は工場を止めて部品を全部新品にしています。工場が動いていない場合もありますので、必ず事前予約をしてください。また工場内はお湯を使いますので常時47℃位になっています。あまり暑くない時期の見学をおすすめします。

Q.商品はどこで買えますか?

A.福岡地区だと、スーパーのボンラパスやマキイ、コープ九州や博多阪急、イムズのナチュ村などで取り扱っていただいています。

 

感想:印象に残った点は?

  • ・油を作る工程を初めて見ましたが、お酢やお湯で不純物を取り除いているのにびっくりしました。
  • ・食酢を使って精製、その後8回も湯洗いしていることに驚きました。
  • ・圧搾一番搾りというこだわった菜種油を作っていらっしゃるのは、消費者にとってとてもうれしいことだと思う。
  • ・TPP交渉参加目前で「本物の食」への関心が高まっていると思います。
  • ・価格競争に巻き込まれない、本物の食作りをされている点に感銘を受けた。ぜひ、この取組を貫いて、価格だけで判断している消費者への食育をお願いいます。
  • ・おいしい菜種油を探していたので大変有意義なわいわい塾でした。作業工程も見ることができ、近くに行ったらぜひ工場見学をしてみたい。
  • ・原料・品質に特に気配りされていることがよくわかった。これからも消費者のために、理念実現に努めてください!
  • ・お茶の生産者が油粕を買いに来るということに驚いた。
  • ・食用油といっても会社によって作り方が全然違うことに驚きました。
  • ・平田産業の菜種油が安心で安全な商品であるということがよくわかった。
  • ・遺伝子組み換えでない原料を使用ということ、油に関する遺伝子組み換え商品の表示の話、目からうろこのような思いでした。
  • ・歴史のある地元企業ということだし、遺伝子組み換えでない菜種から作られている油をぜひ使っていきたいと思います。
  • ・地元福岡県でこんないい企業が頑張っていてうれしいです。
  • ・こだわりを持った安心で安全な良い企業の典型だと思います。
  • ・原料を遺伝子組み換えなしの菜種に限定している企業姿勢は立派!
  • ・国産の菜種がたくさん使われるようになると良いですね。
  • ・遺伝子組み換えの恐ろしさを知りました。
  • ・「九州100万本のオリーブを植えよう」という会、楽しい企画ですね。
  • ・メイプルシロップの和食への利用はすぐにできそうですね。今までホットケーキにしか使えないものだと考えていて、非常にもったいなかった!
  • ・メープルシロップの活用について考える良い機会となった。
  • ・なんでも国産がベストという印象でしたが、オーストラリアできちんと契約し、こだわりの原料を確保されていることは良い取り組みだと思います。
  • ・メープルシロップで和食とは、料理の世界が広がりました。いただいたレシピ本を参考に作ってみたいと思います。

 

試食についてのご意見ご感想

  • ・冷めてもカラッとしたイモ天がとてもおいしかったです。
  • ・天ぷらがカラッと揚がっていて、重たい感じがなく軽いと思った。
  • ・イモ天のパリッと感が最高!
  • ・マヨネーズは苦手なんですが、手造りマヨネーズを美味しく食べることができました。さらっといただけます。
  • ・メープルシロップの使い方を教えてもらい、本日より使ってみようと思います。
  • ・メープルシロップがとてもおいしかった。
  • ・オリーブオイルは草の香りがし、食べてみるとピリッとした感じがしておいしかった。
  • ・オリーブオイルの刺激的な香りと鮮度の高い味は素晴らしかった。
  • ・オリーブオイルもメープルシロップも家で使っているものと全然味が違っていた。材料や作り方を聞いて美味しさにも納得!(特に11月12月に収穫したものしか使わないというこだわりのオリーブオイルの美味しさにびっくりしました。)

 

感想:普段どんな油を使っていますか?

  • ・体に負担のない油を利用したいと思っています。
  • ・大企業の市販のものを使っていたが、あまり好きではなかったので料理はオリーブオイルに頼っていました。
  • ・コレステロールゼロの商品を選びます。
  • ・以前から平田産業さんの国産なたね油を天ぷらや炒め物などに使っていました。それまで使っていた油と違い、重いねっとりとした感じがなくびっくりしました。
  • ・おいしいこと、できるだけ添加物の少ないものが選ぶときのポイント。以前より平田産業の油をコープにて購入しています!
  • ・テレビのCMで健康をアピールしているものを買っていました。
  • ・無意識にどれも同じという感覚で安い油を買っていました。今後はちゃんと選んで買いたい。

 

企業情報

平田産業有限会社

http://www.hiratasangyou.com/

〒838-0068
福岡県朝倉市甘木1330番地
TEL:0946-22-2122
FAX:0946-22-2622