わいわい塾

開催レポート

武田設計

2005/03/20

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設計と建設完了までのコーディネート・監理をしている。建築家の仕事は、設計だけではない。目に見えないところが大変。

 

家が完成するまでの流れ

今回は、昨年手がけた増改築を例に、家が完成するまでの流れを紹介。
2月に施主が来所して話し合う。予算は1500万。そして現場に行き概況をチェック。次に、どんな家が理想か施主に書いてもらう。理想は、矛盾するものなどを除くと約90%はかなえることができる。
2週間ほどして、理想をもとに作った簡単な模型と下図を施主に提案し、話し合いをすすめる。その後何度かの打ち合わせを経て、工程表と工事費の概算を出す。図面は、今使っている家具類の寸法をはかり、どこに置けるかを考えながら完成していく。これで、役所の許可をもらえば前半が終了。  
 
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後半は、まず業者選び。1社にすべてをまかせると、予算を数百万オーバーしたので、様々な専門分野の業者を10数社集めて現場説明をした上で、施主が各業者と契約をするという分離発注を導入した。その結果、1550万で建てることが可能に。多くのいい業者を集めることができるのは、よく現場に足を運んでは、所長さんたちとコミュニケーションをとっているから。業者が決まると、工程表を毎月作って、進行状況を施主とともに管理していく。最後に各業者を呼んでチェック、修正をして、9月に引渡して完了。
 
 
   

基本コンセプトは健康・災害に配慮した住宅

私は、健康・災害に配慮した住宅という基本コンセプトを持っているが、その他のコンセプトは施主自身が持っていて、それぞれ違う。それを引き出して形にし、施主の夢をかなえるのが私の仕事だと思っている。
 
 

参加者と企業の意見交換

Q&A

Q. 設計事務所を選ぶときのポイント 
A. 設計した建物をいくつも見せてもらうこと。話をしてみて、考え方が共感できるか、ウマが合うか。 
 
Q. どんなポリシーを持っているか? 
A. 「時を経たとき、存在感を増す建物を創っていきたい」が信条。家は、年月とともに建物の価値は下がっていくのではないずっと平行してその価値が続くような建物を創っていきたいと思っている。 
 
Q. 何社もの設計事務所の見積りをとるのは失礼ではないか?いつぐらいの段階までキャンセルできるものか? 
A. 見積りをとっていいと思う。ただ、金額だけを単純に比較することはできない。通常設計料は10%。これは設計のみの金額だと思う。私は、設計料10%+監理料5%をいただいている(相談に応じる)。それは、設計だけではなく、建設全体にかかわるコーディネートをしているから。金額と、どんなことをしてくれるのかを吟味することが大切。キャンセルについては、私は、2回図面を書くぐらいまでなら断ることができると考えているが、早めに越したことはない。 
 

感想 

  • 一般的にはあまり知らない現場の話でしたので、興味を持ちましたし、イメージがわかりました。 
  • 本物の建築家をはじめて見ました。テレビ番組「ビフォーアフター」の匠みたいでした。話もおもしろかったです。 
 
 
企業情報

有限会社 武田設計 一級建築士事務所

TAKEDA ARCHITECT AND ASSOCIATES, LTD.
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FAX 092-524-2626