2014年9月 JA柳川
2014/10/01
今回は、JA柳川から営農部流通企画課の古賀吉勝さんにお越しいただき、「地元の野菜と農家を元気にする加工品開発」をテーマに、柳川の農産物のこと、農産物を活かした加工品のことなどをうかがい、加工品のうちから美味しいソース5種類を試食させていただきました。
JA柳川の古賀さん
実は農業も盛んな柳川、大豆・オクラ生産量は福岡県第一位
福岡の柳川といえば、うなぎ・海苔・川下りで有名ですが、漁業や観光ばかりでなく、実は農業も盛んです。有明海を臨む干拓地などミネラル豊富な広い平坦地に恵まれており、田んぼで米や大麦、ハウスでなすやトマトにイチゴ・アスパラ、露地栽培で博多蕾菜(つぼみな)やイチジクなど、様々な農産物を作っています。中でも、大豆とオクラの生産量は福岡県内で一番です。
「めしおせプロジェクトチーム」スタート
JAの大切な役割の一つは、農家の生活を守り高めること。その役割を果たすため、農産物に付加価値をつけて農家の所得をアップさせようと、柳川市とJAが中心となり「柳川農産物特産品づくり推進協議会」を作りました。その実働部隊が、平成23年度にスタートした「めしおせプロジェクトチーム」です。ちなみに「めしおせ」とは柳川弁で「ご飯のおかず」のことを言います。
このプロジェクトチームには県や市、JAの担当職員のほかに加工のアドバイザーやデザイナーが加わり、それぞれの得意分野を生かして、新しい商品の開発に取り組んでいます。
市場調査のつもりが、いきなり大賞を受賞
めしおせプロジェクトチームの活動で「福岡県第1位の大豆をもっと食べてもらおう」ということになり、マヨネーズ状ドレッシングを思いついて自分たちで作ってみましたが、難航しました。
素材を活かすためには無添加にしたい、しかもある程度日持ちすることが必要、もちろん品質が安定しているのが前提条件。やはりプロでないと難しいと実感した時にメンバーのデザイナーさんが紹介してくれたのがコックソースさんの今村社長でした。
コックソースさんでは、福岡に限らず各地の農産物を活かして様々な調味料を作られているとのこと。ちょうど豆乳を使った調味料を検討されていたそうで、相談すると早速品質の良い豆乳を作ることで定評のある工場を紹介してくださり、それまでのコックソースさんの研究の蓄積に柳川産大豆の美味しい豆乳が加わって、ようやく「柳川まめマヨ」が誕生しました。
やっと商品化したものの、当初は売れ行きがよくありませんでした。理由の一つが冷蔵商品であること。フレッシュな味を提供したいという思いで、油が酸化するのを防ぐためですが、そのおかげで普通のマヨネーズなどの調味料売り場ではなく、野菜売り場の冷蔵コーナーなどの日配品の棚に並べるほかなく、なかなか手に取ってもらうことができませんでした。
そのような状況の中、販売を開始した翌年に福岡産業デザイン賞(現在の名称は福岡デザインアワード)に応募しました。理由は「どのようなものが市場・消費者に受け入れられるのか、良いヒントが得られるかもしれないから」。当時14回目を迎えていた同賞で食品部門の過去の受賞はたった1回ということもあり、受賞を狙うつもりはありませんでした。
ところがまさかの大賞を受賞。
受賞理由は「マヨネーズに限りなく近い風味、食感、形状と、ネーミングにふさわしいパッケージデザインが、商品の“柳川の野菜をさらにおいしく食べてもらいたい”というコンセプトを表現している点」でした。
受賞したことで注目されるようになり、更に、卵の替わりに豆乳を使用していることから
・卵アレルギーの人でも食べられること
・コレステロールゼロであること
・カロリーも通常のマヨネーズと比べて3割ほど低いこと
・あっさりしているので和え物やコールスローサラダ、グラタンソースにしたときにしつこくならないこと
また、使用しているのが国産の米油のためキレが良いこと、などが喜ばれ、販売が伸びています。
こってりしたものがお好きなマヨネーズのヘビーユーザーの大人たちよりも、子どもさんたちに受けが良いのも特徴といえるかもしれません。
新しい出会いが次の出会いにつながり、さらに受賞へとつながって、柳川産の野菜に関心が寄せられるようになったことに感謝しています。
「柳川まめマヨ」の他にもいろいろな商品を開発・販売中
「ご飯の大関」~めしおせ(ご飯のおかず)~
福岡県で一番の生産量を誇る柳川の農水産物のオクラ、大豆、海苔を一緒にしてみました。ご飯がすすみます。ちなみにパッケージの顔は琴奨菊。日本相撲協会の許可を得ています。大相撲九州場所の会場でも販売しています。
「巨峰キャンデー」~アイスキャンデー~
巨峰は寒暖の差が大きいほど色付きがよくなるもの。柳川では、寒暖の差が少なく山間部のものよりは色は浅いものの潮風を受け甘く実ります。巨峰を皮ごと絞った果汁をたっぷり使った風味の良い無着色・無香料のアイスキャンデーです。アイスとして他には、そら豆や米粉にあまおうを使ったものを販売しております。中でも、あまおうキャンデーが1番の人気。
試食させていただきました!
①「まるっとトマト」をお湯で伸ばしてベジタブルミックスを加えた簡単スープ
<会場の感想>
・1人暮らしの方や、急ぐ時など、手軽でよいと思いました。 味も美味しかったです。
②「まめマヨ」を柳川産オクラにつけて
<会場の感想>
・主人がマヨネーズ大好きな人ですので、ヘルシーなこの商品に替えたいと思います。
・カロリーが低いので糖尿病の方にも良いと思います。
・いつものマヨネーズより美味しいです。
・酢が効いていると感じました。
・豆乳くさいのでは?と思ったが臭わないですね。
コックソース今村社長の解説
・酸味は材料のレモン果汁由来のものです。
・豆乳の匂いがしないのは新鮮な豆乳を使っているから。ニガリをちょっと加えたらお豆腐になるような、そのまま飲んでも美味しい、とても濃い豆乳を作ってもらって使用しています。
③「ご馳走ソース」をそのまま
美味しいナスをたっぷり40%、さらにトマトを20%使った、野菜のうまみが詰まったソースです。原材料のうちナスが一番多いソースというのはとても珍しいはず。野菜炒め、焼きそばなどに使っていただくと味に深みが出ます。子どもが嫌いな野菜№1は、かつてのピーマンを抜いて、実は今はナスですが、これなら美味しく食べてもらえるのではないでしょうか。
<会場の感想>
・ハンバーグやステーキに使ったことがあります。お野菜たっぷりのソースでとても良いと思います。
④イチジクフルーツソースをヨーグルトにかけて
イチジクは昔から、海苔の養殖業者が手の空く夏場に取り組んでいた農産物で、柳川の特産品の一つです。このフルーツソースはジャムより糖度が低く、イチジクそのものの甘味を楽しめます。ヨーグルトやパンに、アイスクリームにもおススメです。
⑤「あまおう&ハバネロ」(仮称)を鶏唐揚げにつけて
<会場の感想>
・ハバネロの辛さは好きです。あまおうと合わせたのはいいアイデア と思います。調味料として使いたい!!ピザ、パスタ、パン等にも使ってみたいです。
・タバスコの味に似ているけど、甘さもあり、まろやかで後口がさわやか。タバスコは味が強すぎて使っていませんでしたが、これは使ってみたいです。
・辛いばかりでなく甘味があって、鶏肉や白身魚のフライによく合いそうです。美味しかったです。
・東南アジアのソースを思わせる商品でおもしろい。食した後にあまおうの後味がやさしく、また食したいと思える商品でした。
・食べた後味もいいし、色もきれい。あとは価格です。良さを認めていただく努力が必要ですね。
・ハバネロと言われると手を出せないが、あまおうと組み合わせることによって、奥深くなり、くせになりそうです。
<感想などアンケートの声>
- 良心的に製造されている商品であることがよくわかりました。価格が少し高いと思います。
- 卵を使わない「まめマヨ」はアレルギーの人には福音ですね。ただ普及方法で苦労が多そうです。
- 柳川において農産物の拡大の努力がされていることに驚きました。頑張っていただきたい。
- 地場野菜での加工品にすごい信用度が高く、安心して食べられると思いました。
- 柳川には農産物もたくさんあるとのこと、理解不足でした。
- 生産者の安定収入につながる加工品に積極的に取り組む姿勢がすばらしいと思いました。もっと広く宣伝されて“九州みやげ”として認知されることを期待しています。
最後に・・・
コックソースの今村社長から参加者の皆さんへ抽選で
プレミアムポーチ(非売品)をプレゼントしていただきました!
当選した皆さん、おめでとうございます。今村社長、ありがとうございました。
企業情報
福岡県柳川市大和町栄360-2
℡ 0944-76-5270
■JA柳川の農産物加工品取扱店(詳しくは上記までお問い合わせください)
JA全農ふくれんお米カフェ「musubime」、大丸福岡天神店地下2階食品売り場、JR博多駅地下「博多小径」、博多リバレイン2階「福岡デザインステージD12」、キャナルシティオーパ地下1階「ザ・博多ギフトショップ」、西鉄ストアレガネット天神店・飯倉店・千早店、マミーズ桜坂店・唐人店・久留米岩田屋地下「みどりの市場」他