わいわい塾

開催レポート

2014年10月 宝満ビーンズ工房

2014/10/20

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本日のわいわい塾は、福岡県筑紫野市でお米や麦・大豆の生産、自家生産したものを添加物を一切使用せず、手作りにこだわった安全で安心な加工品製造・販売をしておられる「宝満ビーンズ工房」の井上ユキヱさんと中山英子さんにお越し頂きました。

天候にも左右され、大変で儲からないというイメージの農業で、視点を変えて、マイナスをプラスに変えながら、「会社を興す」「給料をもらえるようにする」という夢を実現してこられました。

 

☆米・麦・大豆などの大規模農業経営

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井上さんが農業の世界に飛び込んだのは結婚した20歳の時。嫁ぎ先が筑紫野市宝満山の麓の専業農家だったというのがきっかけです。

養鶏もしていましたが、近所の工場に出入りする車のクラクションに驚いて全滅しあえなく失敗。

そんなこともありましたが、現在ではお米14ha、飼料作物8ha、大豆3ha(多い時は10ha)の生産農家で、筑紫野市の個人では、NO.1の大規模経営へと成長されています。(1ha=10,000㎡=約3030坪)

自作地も5haあり、自分たちの代で農地は3倍になり、自分名義の土地も持っています。

「会社を興したい」「給料をもらいたい」という夢をかなえるために、大きなトラクターやコンバインの免許もとり「無理も無茶もしながら」女性でも男性並みに働きここまで大きく成長してこられたそうです。現在その大きな農地を家族3人でやっています。農繁期(特に田植えの時期)は、雇用を入れています。

☆宝満ビーンズ工房の立ち上げ

全国稲作経営者会議に参加した時に聞いた「これからはコメを売るだけでなく加工して売りなさい」と言う講師の言葉を心の片隅に置きながら米作りを続けていました。10年前には全国の麦作で農林大臣賞を、その翌年には大豆で全国2位の賞を受賞しました。

これまでは地域の方に支えてもらいながらの農業だったので、今度は地域に対して恩返しがしたい、と言う思いから、数々の賞を受賞した自慢の生産物を加工して販売するということを思いつき、自宅の物置を改造して工房を自己資金のみで作りました。

その頃、政治経済の中心、アメリカで「女性の自立」について勉強する機会があり、地元の「宝満山」から宝満を、ニューヨークマンハッタンの5番街のティファニー本店でみたアクセサリー「ビーンズ」を合わせて「宝満ビーンズ工房」と加工所に名づけました。

宝満ビーンズ工房の商品

宝満ビーンズ工房では、毎朝4時半から加工の作業をし、かしわおにぎり、黒豆おこわ、よもぎ餅などの加工品を作って販売しています。

主な販売先はJA筑紫直売所「ゆめ畑」大野城店・太宰府店・筑紫野店・那珂川店です。

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大きな大豆をポンとして、皮をきれいに取り除いたふわふわの黄粉や玄米のポン菓子

餅は新米を朝ついたもの、よもぎ餅は春先に積んだよもぎを冷凍しておいたものを入れています。

黒豆を使ったおこわも人気商品です。

 

「宝満味噌」作り

宝満ビーンズ工房の目玉商品「宝満味噌」。

今回のわいわい塾では実際に「合わせ味噌」作りにチャレンジしました。

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お持ちいただいた材料は、全て自家製。最高の材料で、塩分控えめ(麹の段階での塩分が10%なので大豆に混ぜた後はかなりの量まで抑えられます)で体にも優しい味噌です。

良い材料を使うことが美味しい味噌の秘訣!

豆は最高の大粒の一等ものを今朝圧力鍋で炊いたものです。これを手でつぶします。やわらかく炊いてあるので簡単につぶれます。

つぶれたら麹(塩分10%)を入れて耳たぶくらいのやわらかさになるまで混ぜます。

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麹はコメとの相性の良い京都の菱六の麹、コメはひのひかり、麦は裸麦を精麦したもの、塩はこだわりの長崎の磯塩を使っています。

混ぜた時固い場合は、大豆の煮汁を足していきます。

 

5黒豆.jpg最後に、黒豆を入れてドレスアップ。

作業は素手でした方がよりおいしく、手もつるつるに美しくなるそうです。大豆のいい匂いがする、混ぜる感覚が気持ちいいとの感想をいただきました。

 出来た味噌は、容器にぎゅーっと空気を入れないようにびっしりと詰めていきます。

 

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2カ月~3カ月くらい置いて熟成させるとおいしい味噌になります。

 これは11か月熟成した味噌。

黄金色が美しく、とても美味しいお味噌でした。

 

今後の目標

最高の米や大豆、美味しい味噌はできました。これからの課題としてこの加工品をどうやって広めていくかを模索しています。

味噌に貼るラベルもデザイナーに依頼し二種類作成しました。

安心して食べられる味噌づくりをもっと広めて、たくさんの人に知っていただけるようがんばります。

 

<参加者からの感想(一部)>

  • 味噌作りは初めてなので、楽しい作業でした。出来上がるのが楽しみです。
  • 頑張ってこられたことがよく分かり、勉強になりました。味噌の熟成を楽しみにしています。
  • 農業は大変と聞きますけど、夢を持って前向きに楽しく仕事をするということに共感を持ちました。
  • 農業に一生を捧げて、しかも楽しく取り組んでこられたことに感動しました。
  • 全て自家製の安全安心な材料で作るので安心。塩分量も自分好みにできるので味噌を手作りするのはとても良いと思う。
  • 米の販売から加工しての販売に変換し、全て自家製で賄われて大成功されたお姿にパワーをいただきました。
  • たくさんの賞を受賞された原料で作られている商品はとても興味がある。
  • 添加物を使用していないことが目で見えて安心して食べることが出来ます。
  • 農家のお母さんは本当に元気ですね!!きっとおいしい安心、安全な手作りのお米やお味噌を食べていらっしゃるからでしょうね。
  • 塩分が少なく体にすごくいいと思いました。
  • 無添加、自然食品に沿った製造をされていることは大変好意を感じます。
  • 宝満ビーンズ工房の大ファンになりました!
  • 安心、安全な商品を作っている工房にぜひ行ってみたいと思いました。
  • お米なども是非食べてみたい。

 

参加者からの質問

 

すごい量の米や麦、大豆を作っておられますが、家族だけでやっているのですか?

そうです。夫と自分、次男の3人で経営しています。ほぼ機械化されており、大きなトラクターで畑を耕したあとの充実感はたまりません。農繁期(特に田植えの時期)には、雇用を入れています。

普通の農家はどんな感じですか?

ほとんどが兼業農家です。複数の兼業農家が集まってグループを作り法人化しているところが多いです。

作っているコメの銘柄は?

夢つくし、元気づくし、ひのひかりです。もち米では、羽二重もち、ひみこもちがあります。できたお米はお金を出して検査を受け、厳しい検査を通ったものだけがそのブランドを名乗ることが出来ます。

一番おすすめのお米は?

農家から直接買うのが一番良いと思います。個人名のお米は生産者の住所や名前も書いてあります。生産者と会うこともまた楽しみの一つになるのでは。ただ、保存の処理をしていないので虫がつくことがあります。

虫がついたらどうしたらよいですか

洗って虫を取ってしまえば大丈夫です。もったいないので捨てないでください。虫よけ剤は唐辛子でできているので、それを利用するのも良いと思います。

井上さんが作ったお米買うことはできますか?

「つくしの穂」のネーミングで販売をしています。春日方面までなら直接毎月精米したてのお米を配達しています。

今日作った味噌、家でどのように保管しておけばよいですか?

発酵すると味噌が膨らみますので、蓋を取ってペーパーの上にお皿を置き、その上に重石(500mlのペットボトルなど)をのせてください。最後に、ほこりが入らないよう新聞紙でくるんで、二カ月ほど常温で待ちます。ラップでは生きている味噌は呼吸ができないのでダメです。材料が良いので味噌は元気!温度が高すぎると発酵しすぎるので、常温でも涼しいところを選んで保管してください。1ヶ月に1回はのぞいてみてください。

カビは大丈夫でしょうか?

表面に白いベールのようなカビが生えることがありますが、そのようなカビなら中に混ぜ込んで大丈夫です。ただ、色のついたカビ、ドロっとした白いカビなどは消毒したスプーンできれいに取り除いて下さい。

もっとたくさんの味噌を作りたいのですが?

工房では味噌作り体験コーナーを設けています。電話にて予約していただければ、お一人様からでもOKです。塩分も自分好みに調整することが出来るので、糖尿病など病気にお悩みの方にもおすすめです。夏は熟成が早いので秋口から味噌を食べようと思ったら7月頃に仕込めば間に合います。まずは電話にてお問い合わせください。

企業情報

宝満ビーンズ工房



筑紫野市阿志岐1627
TEL:092-922-6646  FAX:092-922-6631

<主な販売先>
JA筑紫直売所ゆめ畑
大野城店 大野城市御笠川1-16-10
太宰府店 太宰府市石坂1-22-15
筑紫野店 筑紫野市筑紫613-1
那珂川店 筑紫郡那珂川町松木1-156