わいわい塾

開催レポート

(株)志岐蒲鉾本店

2005/07/20

8志岐蒲鉾本店1.jpg
江戸時代創業の大川の老舗かまぼこ店。大川で創業したのは、当時は有明海の魚を加工していたからだと言われている。昔は志岐蒲鉾のとなりに市場があり、新鮮な魚をおろしてかまぼこにしていたようだ。魚市場で、せりをするときに、一番いいものをせりおとすことで有名だったほどで、いい材料を使っていい商品を作るという伝統は今も受け継がれている。
  
 

かまぼこは、日本の伝統的な食文化

8志岐蒲鉾本店2.jpg
かまぼこは、日本の伝統的な食文化の一つで1000年以上の歴史がある。竹にすり身をつけて火にあぶっていたのが始まりといわれており、形が植物の蒲の穂に似ていることから、"がまのほ"と呼ばれ、かまぼこという名に。昔は各地の近海でとれた魚をすり身にしていて、小規模な単位で製造されていたが、昭和30年代に冷凍すり身が発明されたのを契機に一気に工業化。かまぼこは冷凍すり身で作られるのが一般的になり、安く供給されるようになった。
 
 

志岐のかまぼこのこだわり

志岐のかまぼこ作りは、生の魚をさばいて水洗いし、骨・皮を機械で取り除いた後、水さらしをする。そして石臼でミンチにしてから練り上げ、成型・加熱して完成。冷凍すり身の中に、玄海でとれた鮮度のよい生の魚のすり身を混ぜて作ることにこだわっているのは、おいしさの重要な決め手であると同時に、伝統の味を残すためでもある。また、志岐蒲鉾は、保存料を一切使っていない。着色料も天然色素だけを使っているので、安心して食べてほしい。
 
 

栄養満点のかまぼこをもっと食べてもらいたい

現在"すり身"という言葉が世界で通じるほど、海外でよく食べられているかまぼこだが、日本での消費量は減っている。たんぱく質が豊富でカルシウム、DHA、EPAも含まれている栄養満点のかまぼこを、ぜひもっと食べてもらいたい。

   
8志岐蒲鉾本店3.jpg
なんとこれもかまぼこ。
細工蒲鉾の名人、志岐シズエさんの作品
 
 
 
 
 
 
8志岐蒲鉾本店4.jpg
おみやげは、えびちぎり。おつまみにぴったりです。 
 
 
 
 
 
 
 

参加者と企業の意見交換

Q&A

Q. かまぼこはすり身以外に何が入っているの? 
A. 塩・砂糖・でんぷん・卵白・みりん・グルタミン酸。
塩を入れるとたんぱく質を溶かしてねばりが出る。
でんぷんはすり身の質を安定させる。卵白は弾力を高め、砂糖・みりんはかくし味。グルタミン酸は、魚の身を洗うのにどうしても必要。(入れないで作ったところ、味がぐっと落ちたので。) 
 
Q. 添加物は入っていないの? 
A. 一般的なかまぼこは、保存料としてソルビン酸が入っていることが多いが、志岐蒲鉾は保存料を使用していない。10℃以下だと菌はあまり発生しないことから、チルド物流を導入。また菌は冷やす段階で繁殖しやすいことから、冷やす時間を短縮する技術を取り入れている。
着色料だが、白のかまぼこは魚の白さで着色なし。赤は、見た目を考えて着色しているが、コチニールという天然色素を使用。
(グルタミン酸については上記の質問を参照)
 
Q. かまぼこの板が、関東と関西で素材が違うと思うが・・・。 
A. 板は、かまぼこの水分を吸収・調整してくれるため、あるのとないのでは日持ちが違う。
素材は、関東はもみ、関西は杉で、杉は角材の切り落としを利用。においがない杉に比べ、もみは少しにおいがするが、蒸気でにおいを飛ばして使用している。 
 
Q. おでんに入れると、ぶわっとふくれるのは なぜ? 
A. おでん用は、でんぷんが10%くらい入っているため、煮込むとだしを吸い込み、ふくらむ。志岐かまぼこのでんぷんの量は3%ほどなので、おでんに使う場合は、煮込まず食べる直前に入れるとよい。 
 

感想 

  •  かまぼこにこんなに栄養があると思わなかった。手軽にとれるたんぱく質なのでお弁当やおつまみだけでなく、主菜にアレンジして取り入れてみたいと思った。かまぼこ板の話がおもしろかった。 
  •  ソルビン酸を使っていないということで志岐さんのかまぼこを購入していますが、味がとてもよいですよね。これからも今の品質を保ってがんばっていただきたいと思いました。 
 
企業情報

株式会社 志岐蒲鉾本店

本 社 (中央店)
〒831-0016
福岡県大川市酒見シゲアミ180
Tel : 0944-88-3168(店舗)
Fax: 0944-86-2050(店舗)