(有)糸島手造りハム
2005/09/20
養豚業を経て、本場ドイツで製法を学び、1990年からハム作りをはじめる。
ベーコン・ハムができるまで
食肉加工で大事なのは肉の鮮度。
新鮮なものを使うとドリップが出ず、いいものができる。
ベーコンやハムは、塩せき(塩や香辛料などに漬け込むこと)、乾燥、燻製をしてできあがり。
食品衛生法に基づき、中心部が68度で、30分の加熱をしている。
豚肉は、十分に加熱しなければいけないというイメージがあるが、63度で加熱すると、食中毒の原因となる細菌は死滅する。
添加物は食中毒予防のために、本当に必要なものだけを使用
ハム作りと切っても切れないのが亜硝酸塩である。
添加する理由は食中毒予防のためで、一般的に言われている発色は二義的なもの。
ハム作りを始めたころは、添加物を全く加えないで作ろうと思っていたが、無添加ではボツリヌス菌の食中毒の危険に加え、ハム独特の風味が出ない。現在当社では、最低限必要な量だけ添加している。
亜硝酸塩自体に毒性はないこと、大根の葉や岩塩などに含まれている硝酸塩は口に入れると亜硝酸塩に変わるが、その量はハムよりもはるかに多いということなど、ぜひ正確な知識を知ってほしい。
また、リン酸塩は、当社のハムには使用していない。
保水性を高める働きがあるリン酸塩を使用してタンブラーで回転させると、水増しされたハムができるが、これらはあまりおいしくなく、肉のうまみが落ちる。
手造りソーセージ教室のチラシ。
造ったソーセージは、炭火で焼いて試食。
パンやワインなど持込OKなので、ちょっとしたパーティ気分も味わえます。
参加者と企業の意見交換
Q&A
Q. 塩分はどのくらい?
A. 当社の製品は、生ウインナーで1.4%、他は1.5%。ちなみに海外のものを食べると塩辛いと感じるのは、塩分が3%と多いため。
Q. 添加物が気になりながら、スーパーでソーセージ類を買っている。添加物をとるためにボイルして食べるといいと聞いたが?
A. ボイルしたら塩分は抜けるが、添加物はとれることはない。
Q. 大量生産されているハムとの違いは?
A. 大きな違いは原料の豚肉。大量生産をする場合、機械で作るため、そのラインに乗せるためには一定で同じような大きさのものが必要になる。そこで、デンマークやメキシコ産の冷凍ものを輸入している。
糸島手造りハムは、糸島を中心とした国産の豚肉を原料として使っている。新鮮なのはもちろんのこと、肉の良し悪しの決め手である"どんなエサを食べ、どんな環境で育ったか"が把握できているのが強み。
感想
- 普段店頭ではわからない製造過程の話が聞けてよかったです。お店にも行ってみようと思う。
- 無添加のものが最高と考えていたが、そうばかりは言えないことも知り、良いハム・ソーセージについて深く学ぶことができたと思う。
企業情報
(有)糸島手造りハム
福岡県前原市大字泊647-2
TEL:092-324-2821
福岡県前原市大字泊647-2
TEL:092-324-2821